Oracleデータベースでは、テーブルとインデックスを別々の表領域に配置する設計が、性能や保守性の観点から有効とされています。特にアクセス頻度の高い大規模データベースでは、INDEX専用の表領域を設けることで、I/O負荷の分散やバックアップ戦略の柔軟化が期待できます。
本記事では、INDEX専用表領域を導入するメリットや設定手順、運用上のベストプラクティスについて解説します。
INDEX専用表領域を設ける目的
INDEX専用表領域の主な目的は、以下の通りです。
- I/Oの分離: テーブルとインデックスを別ディスクグループに配置することで、並列処理時のディスク競合を軽減
- 管理の効率化: 表領域単位でインデックスの使用容量を把握しやすくなり、容量逼迫の予兆検知がしやすくなる
- バックアップ戦略の柔軟性: インデックスは再構築可能なため、バックアップ対象から除外する判断も可能
INDEX専用表領域の作成方法
まず、インデックスを格納するための専用表領域を作成します。以下は典型的な例です。
CREATE TABLESPACE index_tbs
DATAFILE '/u01/app/oracle/oradata/ORCL/index01.dbf' SIZE 500M
AUTOEXTEND ON
EXTENT MANAGEMENT LOCAL
SEGMENT SPACE MANAGEMENT AUTO;
AUTOEXTEND
を有効にすることで、容量不足時の自動拡張が可能になります。
インデックスをINDEX表領域に作成する
インデックス作成時にTABLESPACE
オプションを指定します。
CREATE INDEX idx_emp_name
ON employees (last_name)
TABLESPACE index_tbs;
既存インデックスを移動したい場合は、次のようにREBUILD
で表領域を指定して再構築できます。
ALTER INDEX idx_emp_name REBUILD TABLESPACE index_tbs;
デフォルトのINDEX表領域をユーザー単位で指定する
特定のスキーマ(ユーザー)が作成するインデックスの表領域を一括で指定したい場合、以下のようにユーザー属性を設定します。
ALTER USER sample_user DEFAULT TABLESPACE users
DEFAULT TEMPORARY TABLESPACE temp
QUOTA UNLIMITED ON index_tbs;
ただし、インデックスの表領域は自動でこの設定に従うわけではないため、CREATE INDEX時にTABLESPACE
を明示的に指定することが推奨されます。
運用上の注意点とベストプラクティス
- インデックス表領域とテーブル表領域は異なるディスクに配置することでI/O分散の恩恵を最大化できます
- インデックス再構築(REBUILD)はアクセスが少ない時間帯に行い、性能低下の影響を抑えましょう
- 表領域の使用率を定期的に監視し、断片化や使用率増加に対して早めに対策を講じることが重要です
まとめ
INDEX専用表領域を設計・運用することで、パフォーマンス向上や管理効率化を実現できます。特に大規模システムやI/Oが集中しやすいシステムでは、分離設計による恩恵が大きくなります。
ただし、表領域の分割管理は運用負荷も増えるため、要件に応じて計画的に導入することが成功の鍵です。