Claude Code AWS Bedrock・Google Vertex AI・Azure AI Foundry統合ガイド|企業環境でのセットアップ方法

Claude Code AWS Bedrock・Google Vertex AI・Azure AI Foundry統合ガイド|企業環境でのセットアップ方法 AI開発

Claude Codeはデフォルトでは直接Anthropic APIを使用しますが、企業環境ではAWS Bedrock・Google Vertex AI・Azure AI Foundryを経由して使うことができます。これにより、自社クラウドの既存セキュリティポリシー・データ管理要件・コスト管理の仕組みの中でClaude Codeを導入できます。

たとえばAWS Bedrockを使えば、リクエストがAWS内のVPCを経由するため「外部サービスへのデータ送信禁止」というポリシーを持つ企業でも利用可能になります。またGoogle Cloud・Azureを使っている企業であれば、既存の請求・ガバナンス体制にそのまま乗せられます。

この記事では各クラウドプロバイダへの接続設定・認証方法・モデルピン留め・実践的な設定例を解説します。Claude Code全般の概要はClaude Code完全ガイドを、settings.jsonの設定はsettings.json完全リファレンスを参照してください。

スポンサーリンク

クラウドプロバイダ経由で使う理由とメリット

メリット 説明
データレジデンシー データがAWS/GCP/Azure内に留まる。「外部APIへの送信禁止」ポリシーをクリアできる
既存請求への統合 クラウドの請求書に一本化。部門ごとのコスト配賦も容易
ネットワーク制御 VPC内で完結させることができる。プライベートエンドポイント対応
Guardrails・コンテンツフィルタ AWS Guardrails等でさらなるコンテンツ制御が可能
既存IAM/RBAC統合 AWS IAM・GCP IAM・Azure RBACで権限管理
コンプライアンス認証 SOC2・HIPAA・FedRAMP等のクラウドプロバイダ認証を継承できる
クラウドプロバイダ経由でも利用可能なモデルは異なる場合がある
直接Anthropic APIで使えるモデルが、Bedrock・Vertex AI・Foundryで全て利用可能とは限りません。特に最新モデルは直接APIで先行リリースされることが多く、クラウドプロバイダへの展開に数日〜数週間かかる場合があります。

AWS Bedrock統合

前提条件とIAM設定

AWS BedrockでClaude Codeを使うには、以下の準備が必要です。

  • AWSアカウントと、Bedrockへのアクセス権限
  • AWS BedrockのコンソールでClaudeモデルへのアクセスを有効化(Model accessページで申請)
  • AWS CLI(v2推奨)のインストール
  • 適切なIAMポリシーが付与されたIAMユーザー/ロール
IAMポリシー(最小権限)
{
  "Version": "2012-10-17",
  "Statement": [
    {
      "Sid": "BedrockClaudeAccess",
      "Effect": "Allow",
      "Action": [
        "bedrock:InvokeModel",
        "bedrock:InvokeModelWithResponseStream",
        "bedrock:ListInferenceProfiles"
      ],
      "Resource": [
        "arn:aws:bedrock:*::foundation-model/anthropic.*",
        "arn:aws:bedrock:*:*:inference-profile/*",
        "arn:aws:bedrock:*:*:application-inference-profile/*"
      ]
    }
  ]
}

認証方法の設定

BedrockとClaude Codeを接続するには、以下のいずれかの認証方法を使います。

認証方法①:AWS CLIの設定(最もシンプル)
# AWS CLIで認証情報を設定
aws configure
# → AWS Access Key ID, Secret Access Key, Regionを入力

# 設定確認
aws sts get-caller-identity
認証方法②:環境変数で直接指定
export AWS_ACCESS_KEY_ID=AKIAIOSFODNN7EXAMPLE
export AWS_SECRET_ACCESS_KEY=wJalrXUtnFEMI/K7MDENG/bPxRfiCYEXAMPLEKEY
export AWS_SESSION_TOKEN=your-session-token  # 一時認証情報の場合のみ
export AWS_REGION=us-east-1
認証方法③:Bedrock APIキー(推奨)
# AWSコンソールでBedrock APIキーを発行して設定
export AWS_BEARER_TOKEN_BEDROCK=your-bedrock-api-key
export AWS_REGION=us-east-1
認証方法④:AWS SSOプロファイル
# SSOでログイン
aws sso login --profile myprofile

# プロファイルを指定してClaude Codeを起動
AWS_PROFILE=myprofile claude

Claude Code起動設定

AWS BedrockでClaude Codeを起動
# 基本設定
export CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1
export AWS_REGION=us-east-1

# モデルピン留め(必須)
export ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL='us.anthropic.claude-sonnet-4-6'
export ANTHROPIC_DEFAULT_HAIKU_MODEL='us.anthropic.claude-haiku-4-5-20251001-v1:0'

# Claude Codeを起動
claude
モデルIDの「us.」プレフィックスについて
AWS Bedrockではクロスリージョン推論プロファイルのIDにus.プレフィックスが付きます。これにより、一つのリージョンに負荷が集中しないよう自動で分散されます。例: us.anthropic.claude-sonnet-4-6(クロスリージョン)、anthropic.claude-sonnet-4-6(単一リージョン)。大量リクエストがある場合はクロスリージョンプロファイルを推奨します。

settings.jsonで永続化する

~/.claude/settings.json(Bedrock永続設定)
{
  "env": {
    "CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK": "1",
    "AWS_REGION": "us-east-1",
    "ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL": "us.anthropic.claude-sonnet-4-6",
    "ANTHROPIC_DEFAULT_HAIKU_MODEL": "us.anthropic.claude-haiku-4-5-20251001-v1:0"
  },
  "awsAuthRefresh": "aws sso login --profile myprofile"
}

AWS Guardrailsとの統合

AWS BedrockのGuardrails機能を使うと、Claude Codeのレスポンスに追加のコンテンツフィルタリングを適用できます。AWSコンソールでGuardrailを作成し、IDとバージョンをカスタムヘッダーで渡します。

Guardrails設定例(~/.claude/settings.json)
{
  "env": {
    "CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK": "1",
    "AWS_REGION": "us-east-1",
    "ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL": "us.anthropic.claude-sonnet-4-6",
    "ANTHROPIC_CUSTOM_HEADERS": "X-Amzn-Bedrock-GuardrailIdentifier: abc123def456\nX-Amzn-Bedrock-GuardrailVersion: 1"
  }
}

Google Vertex AI統合

前提条件と初期設定

  • GCPアカウントと課金が有効なプロジェクト
  • Vertex AI APIの有効化
  • GCPコンソールのModel GardenでClaudeへのアクセス申請
  • Google Cloud SDK(gcloud)のインストール
GCP初期設定
# プロジェクトIDを設定
gcloud config set project YOUR-PROJECT-ID

# Vertex AI APIを有効化
gcloud services enable aiplatform.googleapis.com

# アプリケーションデフォルト認証を設定
gcloud auth application-default login

# 設定確認
gcloud config list

Claude Code起動設定

Vertex AIでClaude Codeを起動
# 基本設定
export CLAUDE_CODE_USE_VERTEX=1
export CLOUD_ML_REGION=global
export ANTHROPIC_VERTEX_PROJECT_ID=your-project-id

# モデルピン留め(必須)
export ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL='claude-sonnet-4-6'
export ANTHROPIC_DEFAULT_HAIKU_MODEL='claude-haiku-4-5@20251001'

# Claude Codeを起動
claude
CLOUD_ML_REGION=globalで自動リージョン選択
CLOUD_ML_REGION=globalを指定すると、Vertex AIが適切なリージョンを自動選択します。特定のリージョンに固定したい場合はus-central1europe-west1などを指定してください。ただし、全モデルが全リージョンで利用可能なわけではないため、公式ドキュメントでリージョン対応状況を確認してください。

モデルごとのリージョン設定

モデルによって利用可能なリージョンが異なる場合、個別に設定できます。

モデルごとのリージョン指定
# モデルごとに最適なリージョンを指定
export VERTEX_REGION_CLAUDE_3_5_HAIKU=us-east5
export VERTEX_REGION_CLAUDE_3_5_SONNET=us-east5
export ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL='claude-sonnet-4-6'

# 1Mコンテキストウィンドウモデルを使う場合
export ANTHROPIC_DEFAULT_OPUS_MODEL='claude-opus-4-6[1m]'

settings.jsonで永続化する

~/.claude/settings.json(Vertex AI永続設定)
{
  "env": {
    "CLAUDE_CODE_USE_VERTEX": "1",
    "CLOUD_ML_REGION": "global",
    "ANTHROPIC_VERTEX_PROJECT_ID": "your-project-id",
    "ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL": "claude-sonnet-4-6",
    "ANTHROPIC_DEFAULT_HAIKU_MODEL": "claude-haiku-4-5@20251001"
  }
}

Azure AI Foundry統合

前提条件と初期設定

  • Azureサブスクリプション
  • Azure AI Foundryポータルでのリソース作成
  • Claude Opus・Sonnet・Haikuの各モデルデプロイメント作成
  • Azure CLIのインストール(Entra ID認証を使う場合)
Azure AI Foundryのリソース確認
# Azure CLIでログイン
az login

# リソースグループ一覧確認
az cognitiveservices account list --output table

認証方法と起動設定

Azure AI FoundryはAPIキー認証とMicrosoft Entra ID(旧Azure AD)認証の2種類をサポートします。

認証方法①:APIキー
# Azure AI FoundryポータルでAPIキーを確認して設定
export CLAUDE_CODE_USE_FOUNDRY=1
export ANTHROPIC_FOUNDRY_API_KEY=your-azure-api-key
export ANTHROPIC_FOUNDRY_RESOURCE=your-resource-name

# または完全なエンドポイントURLで指定
export ANTHROPIC_FOUNDRY_BASE_URL=https://your-resource-name.services.ai.azure.com/anthropic

claude
認証方法②:Microsoft Entra ID(サービスプリンシパル)
# サービスプリンシパルの認証情報を設定
export AZURE_TENANT_ID=your-tenant-id
export AZURE_CLIENT_ID=your-client-id
export AZURE_CLIENT_SECRET=your-client-secret

export CLAUDE_CODE_USE_FOUNDRY=1
export ANTHROPIC_FOUNDRY_RESOURCE=your-resource-name

claude

Azure RBACの設定

Microsoft Entra ID認証を使う場合、以下のロールが必要です。

ロール 説明
Azure AI User モデルへの推論リクエスト権限
Cognitive Services User Cognitive Servicesリソースへのアクセス
~/.claude/settings.json(Azure AI Foundry永続設定)
{
  "env": {
    "CLAUDE_CODE_USE_FOUNDRY": "1",
    "ANTHROPIC_FOUNDRY_RESOURCE": "your-resource-name",
    "ANTHROPIC_FOUNDRY_API_KEY": "your-api-key",
    "ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL": "claude-sonnet-4-6",
    "ANTHROPIC_DEFAULT_HAIKU_MODEL": "claude-haiku-4-5"
  }
}

AWS Bedrock・Vertex AI・Azure AI Foundry 比較

比較項目 AWS Bedrock Google Vertex AI Azure AI Foundry
主な認証方法 IAMロール・アクセスキー・Bedrock APIキー gcloud ADC・サービスアカウント APIキー・Entra ID(旧Azure AD)
必須環境変数 CLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1
AWS_REGION
CLAUDE_CODE_USE_VERTEX=1
ANTHROPIC_VERTEX_PROJECT_ID
CLAUDE_CODE_USE_FOUNDRY=1
ANTHROPIC_FOUNDRY_RESOURCE
コンテンツフィルタ AWS Guardrailsで追加フィルタ可能 Vertex AI Safety Filtersと統合 Azure Content Safety と統合可能
プライベートエンドポイント PrivateLink対応 Private Service Connect対応 Private Endpoint対応
適合コンプライアンス SOC2・HIPAA・FedRAMP等 SOC2・HIPAA・ISO27001等 SOC2・HIPAA・ISO27001・GovCloud等
請求統合 AWS請求書に統合 GCP請求書に統合 Azure請求書に統合

既存クラウド環境別の推奨プロバイダ

既存クラウド環境 推奨プロバイダ 理由
AWSを主に使っている AWS Bedrock IAM・VPC・CloudWatch等との統合が容易
GCPを主に使っている Google Vertex AI BigQuery・Cloud Loggingとの統合。gcloud認証がシームレス
Azureを主に使っている Azure AI Foundry Azure Monitor・Entra IDとの統合。Microsoftサポート体制
マルチクラウド Bedrock または Vertex AI 実績・ドキュメントが充実

クラウドプロバイダ経由時のデータ管理の違い

クラウドプロバイダ経由で使う場合、直接Anthropic APIを使う場合と比べてデータの扱いが変わります。

項目 Anthropic直接 クラウドプロバイダ経由
学習データへの使用 ご利用プランによる(Teams/Enterpriseはデフォルト対象外) クラウドプロバイダの契約・データ管理ポリシーに依存
Statsigテレメトリ デフォルトでオン(DISABLE_TELEMETRY=1で無効化) デフォルトでオフ
Sentryエラー報告 デフォルトでオン(DISABLE_ERROR_REPORTING=1で無効化) デフォルトでオフ
データ保存リージョン Anthropicインフラ クラウドプロバイダの指定リージョン
ゼロデータリテンション(ZDR)について
Anthropic Enterprise契約ではゼロデータリテンション(ZDR)オプションがあり、リクエスト・レスポンスのデータを保存しない設定が可能です。クラウドプロバイダ経由の場合も、各プロバイダのデータポリシーを確認してください。

よくある質問

Qクラウドプロバイダ経由でもすべてのClaude Codeの機能は使えますか?

Aほぼすべての機能が使えます。ただし、Claude.aiのサブスクリプション機能(Pro/Max/Teams)に依存した一部の機能(レート制限のステータスライン表示等)は利用できない場合があります。また、最新モデルは直接APIで先行公開されることがあるため、タイムラグが生じることがあります。

QBedrockで「モデルへのアクセスが有効化されていない」エラーが出ます。

AAWSコンソール → Amazon Bedrock → Model accessページで、使用するClaudeモデルへのアクセスを明示的に有効化してください。デフォルトでは無効になっています。有効化後、数分で反映されます。

Qモデルピン留め(ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL等)は必須ですか?

A必須ではありませんが強く推奨します。ピン留めをしないと、Claude Codeが内部でモデルIDを自動決定しますが、クラウドプロバイダ側で利用可能なモデルIDと一致しない場合にエラーになることがあります。使用するプロバイダでサポートされているモデルIDを明示的に設定してください。

QAWS Bedrockと直接AnthropicのAPIを切り替えて使いたいです。

ACLAUDE_CODE_USE_BEDROCK=1環境変数の有無で切り替えられます。プロジェクトごとに.claude/settings.jsonenvフィールドで設定するか、シェルのエイリアスで使い分けるのが便利です。

QVertex AIで「Quota exceeded」エラーが出ます。

AGCPプロジェクトのVertex AIリージョンのクォータ上限に達している可能性があります。GCPコンソール → Vertex AI → クォータページから上限引き上げを申請してください。またはリージョンを変更して別のクォータプールを使うことも有効です。VERTEX_REGION_CLAUDE_*環境変数でモデルごとのリージョンを設定できます。