SourceTreeが突然起動しなくなった・ロゴ画面で固まる・起動後にクラッシュする——Gitクライアントが使えなくなると開発作業が止まってしまいます。
この記事では、Windows / Macの両環境で効果のあった対処法を優先度の高い順に紹介します。筆者が実際に解決できたキャッシュクリアを含め、原因ごとの対策をまとめました。
この記事で学べること
- キャッシュクリアで起動しない問題を解決する方法
- 設定ファイルのリセットで初期状態に戻す方法
- Gitの認証情報を更新して認証エラーを解消する方法
- SourceTreeの再インストール手順
- .NET Framework / Xcode CLTなど依存ソフトの確認
- 起動しない間のGit操作の代替手段
対処法1: キャッシュのクリア(最も効果的)
SourceTreeは内部キャッシュが壊れると起動できなくなることがあります。キャッシュフォルダの削除が最もシンプルで効果の高い対処法です。
Windowsの場合
エクスプローラーで以下のパスを開きます。AppDataは隠しフォルダのため、表示されない場合はエクスプローラーの「表示」→「隠しファイル」にチェックを入れてください。
キャッシュの場所(Windows)
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Atlassian
このフォルダ内にSourceTree関連のキャッシュフォルダが格納されています。長い名前のフォルダ(例: SourceTree.exe_Url_xxxxx)を削除してください。
ポイント:Atlassianフォルダ全体を削除しても問題ありません。次回起動時に自動で再作成されます。
コマンドプロンプトやPowerShellで素早く開くこともできます。
コマンドでフォルダを開く
:: コマンドプロンプト
explorer %LOCALAPPDATA%\Atlassian
# PowerShell
ii $env:LOCALAPPDATA\Atlassian
Macの場合
キャッシュの場所(Mac)
# キャッシュフォルダ
~/Library/Caches/com.torusknot.SourceTreeNotMAS
# アプリケーションサポート
~/Library/Application Support/SourceTree
Macでキャッシュを削除
rm -rf ~/Library/Caches/com.torusknot.SourceTreeNotMAS
rm -rf ~/Library/Application\ Support/SourceTree
注意:キャッシュを削除すると、SourceTreeに登録していたリポジトリの一覧やタブの状態がリセットされます。リポジトリ自体(.gitフォルダ)には影響しないため、再度追加すれば元通りです。
対処法2: 設定ファイルのリセット
キャッシュクリアで解決しない場合、SourceTreeの設定ファイルが破損している可能性があります。
Windowsの場合
設定ファイルの場所(Windows)
:: ユーザー設定
%LOCALAPPDATA%\SourceTree\
:: Roaming設定
%APPDATA%\SourceTree\
手順:
- SourceTreeを完全に終了する(タスクマネージャーで確認)
- 上記フォルダの名前を
SourceTree_backup に変更(リネーム)
- SourceTreeを再起動する
- 起動できたら初期設定を再実行
Macの場合
設定ファイルのリセット(Mac)
# plistファイルをバックアップしてから削除
mv ~/Library/Preferences/com.torusknot.SourceTreeNotMAS.plist \
~/Library/Preferences/com.torusknot.SourceTreeNotMAS.plist.bak
ポイント:いきなり削除せずにリネーム(バックアップ)しておくと、設定を復元したいときに元に戻せます。
対処法3: Git認証情報の更新
認証トークンの期限切れやパスワード変更が原因で、起動時の認証処理がハングすることがあります。
Windowsの場合
Windows資格情報を削除
1. 「コントロールパネル」→「資格情報マネージャー」を開く
2. 「Windows資格情報」タブを選択
3. github.com / bitbucket.org 関連の項目を削除
4. SourceTreeを再起動 → 再ログインを求められる
Macの場合
キーチェーンから認証情報を削除
# キーチェーンアクセスで検索
1. 「キーチェーンアクセス」アプリを開く
2. 「github.com」または「bitbucket.org」で検索
3. 該当するエントリを削除
# またはコマンドで削除
git credential-osxkeychain erase
host=github.com
protocol=https
# (空行を入力してEnter)
対処法4: バージョンのダウングレード
SourceTreeの最新版にアップデートした直後に起動しなくなった場合、以前の安定バージョンに戻すことで解決する場合があります。
- 現在のSourceTreeをアンインストール
- キャッシュ・設定フォルダを削除(対処法1・2参照)
- SourceTree過去バージョンから安定版をダウンロード
- インストール後、自動アップデートを一時的に無効にする
注意:古いバージョンではセキュリティ修正が含まれていない場合があります。一時的な対処として使い、公式の修正版がリリースされたらアップデートしましょう。
対処法5: 完全な再インストール
上記の方法で解決しない場合は、クリーンインストールを行います。
Windows
完全削除の手順(Windows)
1. 「設定」→「アプリ」からSourceTreeをアンインストール
2. 以下のフォルダをすべて削除:
%LOCALAPPDATA%\Atlassian
%LOCALAPPDATA%\SourceTree
%APPDATA%\SourceTree
3. PCを再起動
4. 公式サイトから最新版をダウンロード・インストール
Mac
完全削除の手順(Mac)
# アプリ本体を削除
rm -rf /Applications/SourceTree.app
# 関連ファイルを削除
rm -rf ~/Library/Application\ Support/SourceTree
rm -rf ~/Library/Caches/com.torusknot.SourceTreeNotMAS
rm -rf ~/Library/Preferences/com.torusknot.SourceTreeNotMAS.plist
rm -rf ~/Library/Saved\ Application\ State/com.torusknot.SourceTreeNotMAS.savedState
対処法6: 依存ソフトウェアの確認
SourceTreeは内部でGitやその他のツールに依存しています。これらが正しくインストールされていないと起動に失敗することがあります。
| OS |
依存ソフト |
確認方法 |
| Windows |
.NET Framework 4.7.1以上 |
Windows Updateで最新に更新 |
| Windows |
Git for Windows |
git --version で確認 |
| Mac |
Xcode Command Line Tools |
xcode-select --install |
| Mac |
Git |
git --version で確認 |
Gitのバージョン確認
git --version
# git version 2.44.0 のように表示されればOK
# 表示されない場合はGitのインストールが必要
起動しない間のGit操作(代替手段)
SourceTreeが復旧するまでの間、以下の方法でGit操作を続けられます。
| 方法 |
特徴 |
コマンド例 |
| Git CLI |
インストール不要、どこでも使える |
git add . && git commit -m "msg" |
| VS Code Git機能 |
GUIで差分確認・コミット可能 |
サイドバーの「ソース管理」 |
| GitHub Desktop |
シンプルなGUI、軽量 |
公式サイトから無料ダウンロード |
| GitKraken |
多機能GUI、ブランチ可視化 |
無料プランあり |
最低限のGit CLIコマンド
# 状態確認
git status
# 変更をコミット
git add .
git commit -m "コミットメッセージ"
# プッシュ
git push origin main
# ブランチ切り替え
git checkout -b feature/new-branch
# ログ確認(グラフ表示)
git log --oneline --graph --all
対処法チェックリスト
| 症状 |
推奨対処法 |
| ロゴ画面で固まる・起動しない |
対処法1: キャッシュクリア |
| 起動後すぐにクラッシュする |
対処法2: 設定ファイルのリセット |
| 認証エラーが表示される |
対処法3: 認証情報の更新 |
| アップデート後に起動しなくなった |
対処法4: ダウングレード |
| 何を試しても解決しない |
対処法5: 完全な再インストール |
| Gitが見つからないエラー |
対処法6: 依存ソフトの確認 |
まとめ
| 優先度 |
対処法 |
影響範囲 |
| 1 |
キャッシュクリア |
リポジトリ一覧がリセット |
| 2 |
設定ファイルのリセット |
カスタム設定がリセット |
| 3 |
認証情報の更新 |
再ログインが必要 |
| 4 |
バージョンダウングレード |
一時的に古いバージョンを使用 |
| 5 |
完全な再インストール |
すべてリセット |
| 6 |
依存ソフトの確認 |
Git/ランタイムの再インストール |
SourceTreeが起動しない場合は、まずキャッシュクリアを試してください。筆者の環境ではこれだけで解決しました。それでもダメなら、設定リセット → 認証更新 → 再インストールと段階的に試していきましょう。復旧作業中もGit CLIやVS Codeでバージョン管理は継続できます。