Oracleデータベースの管理や最適化において、SQLステートメントの実行統計情報を把握することは重要です。そのために役立つのが、Oracleが提供するV$SQLビューです。このビューは、実行中のSQLステートメントに関する情報を提供し、パフォーマンスの評価や最適化に貢献します。
V$SQLビューで直前に発行されたSQLを確認する
V$SQLビューを使用して直前に発行されたSQLを確認する方法はいくつかあります。一般的な方法は、以下の手順になります。
- 最後に実行されたSQLステートメントのSQL_IDを取得します。
- 取得したSQL_IDを使用して、V$SQLビューから該当するSQLステートメントを取得します。
具体的なクエリは次の通りです。
このクエリは、V$SQLビューから直近に実行されたSQLステートメントのSQL_ID、SQLテキスト、および最後のアクティブ時間(LAST_ACTIVE_TIME)を取得します。最後のアクティブ時間が最大の行を選択しています。これにより、最後に実行されたSQLステートメントの情報が取得されます。
注意点として、V$SQLビューはOracleデータベースのリセットや再起動後にリセットされる可能性があるため、このクエリで直前のSQLステートメントを取得することができない場合があります。
SELECT SQL_ID, SQL_TEXT, LAST_ACTIVE_TIME
FROM V$SQL
WHERE LAST_ACTIVE_TIME = (SELECT MAX(LAST_ACTIVE_TIME) FROM V$SQL);
V$SQLビューの主要な列
列 | 説明 |
---|---|
SQL_ID | SQLステートメントのユニークな識別子。 |
SQL_TEXT | 実行されたSQLステートメントのテキスト。 |
EXECUTIONS | SQLステートメントの実行回数。 |
ELAPSED_TIME | SQLステートメントの合計実行時間(マイクロ秒単位)。 |
CPU_TIME | SQLステートメントが使用したCPU時間(マイクロ秒単位)。 |
BUFFER_GETS | SQLステートメントが読み取ったブロックの数。 |
DISK_READS | SQLステートメントがディスクから読み取ったデータファイルの数。 |
PARSE_CALLS | SQLステートメントがパースされた回数。 |
ROWS_PROCESSED | SQLステートメントが処理した行の数。 |
FETCHES | SQLステートメントのフェッチ回数。 |
これらの列を活用することで、SQLステートメントのパフォーマンスやリソースの使用状況を詳細に把握し、効果的な最適化を行うことが可能です。Oracleのデータベース管理者や開発者にとって、V$SQLビューは強力なツールであり、SQLの効率的な管理に不可欠な要素と言えます。