インターステージで「アウトオブメモリー」が発生する原因と対策

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富士通のInterstageを利用していると、アプリケーションやバッチ処理の実行中に「Out Of Memory(メモリ不足)」エラーが発生することがあります。これはシステムの安定稼働を妨げる重大な要因となるため、原因を正しく把握し、適切に対策を講じることが重要です。

本記事では、インターステージで発生するアウトオブメモリーの主な原因と、その解決策について整理します。

アウトオブメモリーの主な原因

1. JVMヒープ領域の不足

InterstageはJavaベースで動作しており、アプリケーションが利用するメモリはJVM(Java仮想マシン)のヒープ領域に依存します。
大量データの一括処理、大きなオブジェクトの生成、キャッシュの過剰利用などでヒープ領域が不足するとエラーが発生します。

2. メモリリーク

不要になったオブジェクトへの参照を残してしまうと、GC(ガーベジコレクション)が解放できず、メモリが枯渇していきます。
特に static 変数やセッション管理で不要なデータを残すケースで発生しやすいです。

3. ネイティブメモリ不足

JVMヒープ領域ではなく、スレッド数の増加やJNI(Java Native Interface)ライブラリの利用により、ネイティブメモリが不足する場合もあります。

4. 処理設計上の問題

システム設計そのものが原因となる場合もあります。数百万件のレコードを一度に読み込む、全件をメモリ上に展開して集計する、不必要なオブジェクトを大量生成する、といった実装はメモリ不足を招きやすいです。

対策方法

1. JVMメモリ設定の調整

JVMのヒープサイズを適切に設定します。起動オプションの例は以下です。

-Xms512m -Xmx2048m
  • -Xms : 初期ヒープサイズ
  • -Xmx : 最大ヒープサイズ

GCログを取得し、メモリ利用状況を可視化することで適切なサイズを見極めることができます。

2. プログラム実装の見直し

  • 大量データは分割処理・ストリーム処理に切り替える
  • キャッシュやリストにデータを抱え込みすぎない
  • 不要なオブジェクト参照を早めに破棄する

3. メモリリークの調査と修正

jmapjconsoleVisualVMなどを利用してヒープダンプを取得し、どのクラスがオブジェクトを保持し続けているかを分析します。セッションや静的変数の利用を見直すことも重要です。

4. ネイティブメモリの最適化

  • スレッド数を減らす
  • 外部ライブラリ(JNI)の利用箇所を点検する

5. 運用上の工夫

  • バッチやトランザクションを小分けに実行する
  • 定期的に再起動してリソースをリフレッシュする
  • ログや一時ファイルの肥大化を防止する

まとめ

インターステージで発生する「アウトオブメモリー」の多くは、ヒープ領域不足 または メモリリーク が原因です。まずはJVMメモリサイズを見直し、GCログやヒープダンプを用いて調査することが効果的です。安定したシステム運用のためには、設計段階からメモリ効率を意識した実装が重要です。