複数の箇所を同時に編集できる「マルチカーソル」は、Visual Studio Codeの強力な機能の一つです。繰り返しの置換や変数名の一括変更など、通常なら手作業や検索置換に頼る作業を直感的に素早く行えます。ここではマルチカーソルの基本操作から応用的な使い方までを紹介します。
基本の操作方法
VSCodeでマルチカーソルを追加するには以下の操作を使います。
- Alt + クリック(Windows/Linux) / Option + クリック(Mac):クリックした位置にカーソルを追加
- Ctrl + Alt + ↑/↓(Windows/Linux) / Option + Command + ↑/↓(Mac):上下にカーソルを追加
- Ctrl + D(Windows/Linux) / Command + D(Mac):選択中の文字列と同じ次の単語を選択してカーソル追加
- Ctrl + Shift + L(Windows/Linux) / Command + Shift + L(Mac):選択中の文字列と同じすべての箇所にカーソル追加
矩形選択によるマルチカーソル
Alt(MacではOption)を押しながらドラッグすると矩形選択ができます。縦にカーソルを並べて一列のテキストを同時編集するときに便利です。
// 例:一度にセミコロンを追加
const apple
const orange
const banana
矩形選択して末尾にカーソルを置けば、全てに「;」を一括追加できます。
変数名やタグを一括編集する
コード中で同じ変数名を一括して変更する場合、変数を選択して Ctrl+D / Command+D を繰り返すと同じ単語が次々にカーソル対象になります。すべての出現箇所を一度に編集できるため、リファクタリング時に役立ちます。
ショートカットのカスタマイズ
デフォルトのショートカットが使いにくい場合は、VSCodeの Keyboard Shortcuts 設定で変更できます。特に「Add Cursor Above/Below」や「Add Selection to Next Find Match」は自分に合ったキー設定にすると作業効率が上がります。
便利な応用例
- リストに一括でプレフィックスやサフィックスを追加する
- HTMLタグや属性名をまとめて変更する
- JSONやCSVの複数行に同じ編集を加える
まとめ
マルチカーソルはコード編集を飛躍的に効率化できる機能です。Alt + クリックによる追加、Ctrl+Dによる同一ワード選択、矩形選択などを組み合わせることで、繰り返し作業を短時間で処理できます。日常的に活用すれば、検索置換に頼らず直感的な同時編集が可能になり、開発効率を大きく高められるでしょう。