カードレイアウトで各カードのテキスト量が異なると、高さがバラバラになってデザインが崩れます。jquery.matchHeight.js は一行のJavaScriptで複数要素の高さを自動的に揃えられる軽量プラグインです。この記事では基本的な使い方・グループ別管理・レスポンシブ対応・Ajax再計算・CSSとの使い分け・トラブルシューティングまで解説します。
- jquery.matchHeight.js のインストールと基本的な使い方
- 複数グループ・行ごとに別々に高さを揃える方法
- レスポンシブ対応(ブレークポイントで無効化)
- Ajax・動的コンテンツに対応した再計算
- CSS Flexbox・Gridとの違いと使い分け
- 画像・Webフォントによるズレのトラブルシューティング
jquery.matchHeight.js とは
jquery.matchHeight.js は、指定したセレクターの要素の高さを自動的に同じ値に揃える jQuery プラグインです。カードUI・並列ブロックの「テキスト量が違っても高さを統一したい」という場面で広く使われています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ファイルサイズ | 約3KB(minified) |
| 依存関係 | jQuery 1.7+ |
| レスポンシブ対応 | ウィンドウリサイズで自動再計算 |
| 行単位管理 | 折り返した行ごとに最大高さを揃えられる(byRow) |
| メンテナンス状態 | 2016年以降更新停止(現行プロジェクトはCSS推奨) |
jquery.matchHeight.js は2016年から更新が止まっています。新規プロジェクトでは CSS の Flexbox・Grid で解決できないか先に検討することを推奨します。既存プロジェクトや古いブラウザ対応が必要な場合は引き続き有効な選択肢です。
インストール方法
CDN・npm どちらからでも導入できます。jQuery より後に読み込んでください。
<!-- CDN(最も手軽) --> <script src="https://code.jquery.com/jquery-3.7.1.min.js"></script> <script src="https://cdnjs.cloudflare.com/ajax/libs/jquery.matchHeight/0.7.2/jquery.matchHeight-min.js"></script>
npm install jquery-match-height
// ES Modules(webpack / Vite など) import $ from 'jquery'; import 'jquery-match-height';
基本的な使い方
<div class="card-container">
<div class="card">
<h3>カードA</h3>
<p>短いテキスト</p>
</div>
<div class="card">
<h3>カードB</h3>
<p>長いテキストが入っています。
このカードに合わせて他のカードも高さが揃います。</p>
</div>
<div class="card">
<h3>カードC</h3>
<p>中程度のテキスト内容です。</p>
</div>
</div>
$(function () {
// .card クラスの要素を全て同じ高さに揃える
$('.card').matchHeight();
});
DOM の読み込み完了後に実行しないと、画像などが読み込まれる前に高さを計算して正確な値が取れません。必ず
$(function(){})(または $(document).ready())の中で呼んでください。画像を含む場合は後述の $(window).on("load") も参照してください。複数グループ・行ごとに揃える
グループAとグループBで別々に高さを揃えたい場合は、それぞれに matchHeight() を適用します。
<!-- グループA: 記事カード --> <div class="post-card">...</div> <div class="post-card">...</div> <!-- グループB: サービス紹介 --> <div class="service-card">...</div> <div class="service-card">...</div>
$(function () {
// グループAのみ高さを揃える
$('.post-card').matchHeight();
// グループBのみ高さを揃える(グループAとは独立)
$('.service-card').matchHeight();
});
行ごとに揃える(byRow オプション)
デフォルトでは同じクラスの全要素の最大高さに揃えます。折り返した各行ごとに揃えたい場合は byRow: true(デフォルト値)、全要素を同じ最大高さにしたい場合は byRow: false を指定します。
$(function () {
// byRow: true(デフォルト): 折り返し行ごとに最大高さで揃える
$('.card').matchHeight({ byRow: true });
// byRow: false: 全要素を同じ高さ(最大値)に揃える
$('.card').matchHeight({ byRow: false });
});
PCでは3列・スマホでは1列になるようなレイアウトで
byRow: true(デフォルト)を使うと、PCでは各行ごと、スマホでは全体が同じ高さになります。ただしスマホでは1列のため全要素が同じ高さになってしまう場合は、後述のブレークポイント制御を使ってください。レスポンシブ対応:ブレークポイントで無効化
スマホでは縦並びになるため高さ揃えが不要・あるいは不自然になる場合があります。{ remove: true } で設定を解除できます。
$(function () {
function applyMatchHeight() {
if ($(window).width() >= 768) {
// タブレット以上: 高さを揃える
$('.card').matchHeight();
} else {
// スマホ: 高さをリセット(自然な高さに戻す)
$('.card').matchHeight({ remove: true });
}
}
applyMatchHeight();
// リサイズ時に再チェック(debounce で間引く)
var resizeTimer;
$(window).on('resize', function () {
clearTimeout(resizeTimer);
resizeTimer = setTimeout(applyMatchHeight, 200);
});
});
matchHeight({ remove: true }) を呼ぶと、そのグループの matchHeight 設定が解除され、インラインスタイルもリセットされます。CSSメディアクエリでレイアウトが変わるブレークポイントと合わせてウィンドウ幅で条件分岐してください。Ajax・動的コンテンツに対応した再計算
Ajax でコンテンツを追加した後は自動的に再計算されません。$.fn.matchHeight._update() を手動で呼んで再計算してください。
$(function () {
// 最初に適用
$('.card').matchHeight();
// Ajax でカードを追加後に再計算
$('#load-more').on('click', function () {
$.get('/api/cards', function (data) {
$('.card-container').append(data);
// 新しく追加された要素を含めて再計算
$.fn.matchHeight._update();
});
});
// MutationObserver で自動再計算(動的追加が多い場合)
var observer = new MutationObserver(function () {
$.fn.matchHeight._update();
});
observer.observe(document.querySelector('.card-container'), {
childList: true // 子要素の追加・削除を監視
});
});
動的なコンテンツ追加が多いページでは、
MutationObserver でコンテナを監視して自動的に再計算するとメンテナンスが楽になります。大量の DOM 変更が起きる場合は更新頻度に注意してください。CSS Flexbox・Gridとの比較と使い分け
現代のプロジェクトでは CSS の Flexbox・Grid だけで高さを揃えられる場合がほとんどです。どの方法を選ぶかの判断基準をまとめます。
| 方法 | IE11 | 動的コンテンツ | 行ごと対応 | jQuery必須 | 推奨場面 |
|---|---|---|---|---|---|
| matchHeight.js | 対応 | 手動更新 | 対応(byRow) | 必須 | 既存jQueryプロジェクト・IE11必要 |
| CSS Flexbox | 対応 | 自動 | 対応(flex wrap) | 不要 | シンプルな横並びカード |
| CSS Grid | 一部対応 | 自動 | 対応 | 不要 | 複雑なグリッドレイアウト |
/* CSS Flexbox で高さを揃える(jQuery不要・最もシンプル) */
.card-container {
display: flex;
flex-wrap: wrap; /* 折り返しを許可 */
align-items: stretch; /* デフォルト値: 行内で同じ高さに揃える */
gap: 16px;
}
.card {
flex: 1 1 300px; /* 最小300px、伸縮あり */
display: flex;
flex-direction: column;
}
/* カード内のフッターを下に固定 */
.card .card-body {
flex: 1; /* コンテンツ部分を伸ばす */
}
.card .card-footer {
margin-top: auto; /* フッターを常に下部に配置 */
}
/* CSS Grid で揃える(複雑なレイアウト向け) */
.card-container {
display: grid;
grid-template-columns: repeat(auto-fill, minmax(280px, 1fr));
gap: 16px;
/* Grid の各アイテムはデフォルトで同じ行高さに揃う */
}
IE11 対応不要なら CSS で高さを揃えるのが最もシンプルです。
display: flex; align-items: stretch(Flexbox)やdisplay: grid(Grid)を使えば、jQuery・プラグインなしで動的コンテンツにも自動対応します。詳しくは要素の幅・高さを取得する完全ガイドも参照してください。トラブルシューティング
画像を含む要素で高さがズレる
画像は DOMContentLoaded 時点ではサイズが確定していません。$(window).on("load") の中で実行してください。
// NG: DOMReady では画像がまだ読み込まれていない場合がある
$(function () {
$('.card').matchHeight(); // 画像のある要素ではズレる可能性
});
// OK: 全リソース読み込み後に計算
$(window).on('load', function () {
$('.card').matchHeight();
});
Webフォントの読み込みで高さがズレる
Webフォントが DOMReady 後に読み込まれると、フォントによってテキストの高さが変わります。document.fonts.ready を使って確実にフォント読み込み後に実行してください。
// Webフォント読み込み後に高さを揃える(モダンブラウザ対応)
document.fonts.ready.then(function () {
$('.card').matchHeight();
});
display:none の要素が含まれる場合
display: none の要素は高さが 0 として計算されます。要素を表示してから matchHeight を実行するか、$.fn.matchHeight._update() で再計算してください。
アコーディオンやタブ内のカードがズレる
タブ切り替えやアコーディオンの開閉で要素が表示された後に再計算が必要です。タブ・アコーディオンの click イベント後に $.fn.matchHeight._update() を呼んでください。
// タブ切り替え後に再計算
$('.tab-btn').on('click', function () {
// タブの表示切り替え処理...
$.fn.matchHeight._update(); // 再計算
});
まとめ
jquery.matchHeight.js のポイントをまとめます。
- 基本:
$(".card").matchHeight()で同じクラスの要素を揃える - グループ別: 別々のセレクターにそれぞれ
matchHeight()を適用 - 行ごと:
{ byRow: true }(デフォルト)で折り返し行ごとに揃える - スマホ対応:
{ remove: true }でブレークポイント以下で解除 - Ajax後:
$.fn.matchHeight._update()で再計算 - 画像・フォント含む場合:
$(window).on("load")またはdocument.fonts.ready後に実行 - 新規プロジェクトは CSS Flexbox・Grid が推奨(jQuery不要・動的対応自動)
関連記事: 要素の幅・高さを取得する完全ガイド / スライダーの各スライドの高さを揃える完全ガイド / ブラウザ・要素の高さ取得完全ガイド
よくある質問(FAQ)
display: flex; align-items: stretch が最もシンプルです。JavaScript で揃えたい場合は、各要素の offsetHeight を取得して最大値を style.height に設定する自作実装も選択肢です。matchHeight({ remove: true }) を呼ぶと設定が解除されます。$(window).width() < 768 などでスマホ判定してから呼んでください。リサイズ時にも再チェックするとPC↔スマホ切り替えにも対応できます。注意: { remove: true } はインラインスタイルも削除するため、他のスタイルと競合していないか確認してください。$.fn.matchHeight._update() を呼んで再計算してください。または Ajax のコールバック内で $(".card").matchHeight() を再度呼ぶ方法でも対応できます。動的追加が多いページでは MutationObserver でコンテナを監視して自動再計算する実装が便利です。noConflict モードで読み込むため、$ の代わりに jQuery を使うか、(function ($) { ... })(jQuery) のラッパーで $ を使えるようにしてください。matchHeight.js の読み込みは wp_enqueue_script() を使い、jQuery を依存関係に指定してください:wp_enqueue_script("match-height", URL, array("jquery"))outerHeight()(padding・border含む)で高さを取得し、height()(contentのみ)で設定します。カードに box-sizing: border-box を指定すると動作が安定します。また、Webフォントが後から読み込まれてテキストが高くなるケースでは document.fonts.ready.then(fn) を使って再計算してください。