LaravelはモダンなWebアプリケーション開発に必要な機能を数多く提供しており、中でもユーザー認証機能の実装は非常にスムーズです。この記事では、Laravelで認証機能を簡単に導入する方法を紹介し、よく使われるパッケージ「Breeze」と「Jetstream」の違いや使い分けについても解説します。
Laravelでの認証機能の基本
Laravelには、公式にメンテナンスされている複数の認証スキャフォールド（ひな型）があります。これらを使うことで、ログイン・ユーザー登録・パスワードリセットなどの機能をコマンド一つで構築することができます。
現在主に使われているのは以下の2つです。
- Laravel Breeze
- Laravel Jetstream
どちらもComposerパッケージとして導入可能で、アプリの用途や開発規模によって選択します。
Laravel Breezeの特徴と導入方法
Breezeはシンプルで軽量な認証スキャフォールドで、基本的な認証機能を最小構成で提供します。Bladeを使った構成で、フロントエンドの自由度も高いため、独自のUIで開発したい場合に最適です。
Breezeのインストール手順
composer require laravel/breeze --dev
php artisan breeze:install
npm install && npm run dev
php artisan migrateインストールが完了すると、/login や /register などのルートが利用可能になり、Bladeテンプレートを使ったシンプルなUIも生成されます。
Breezeが向いているケース
- 自分でUIをカスタマイズしたい
- シンプルな認証機能のみが必要
- VueやReactは不要、もしくは自分で導入したい
Laravel Jetstreamの特徴と導入方法
Jetstreamは、より高機能な認証パッケージです。Breezeよりも多くの機能が含まれており、チーム機能やAPIトークンの管理、2要素認証なども組み込まれています。
Jetstreamのインストール手順
Jetstreamではフロントエンドに Livewire または Inertia.js（Vueベース） を選択する必要があります。
composer require laravel/jetstream
php artisan jetstream:install livewire
# または
php artisan jetstream:install inertia
npm install && npm run dev
php artisan migrateJetstreamに含まれる主な機能
- ユーザー登録・ログイン・ログアウト
- メールアドレス認証
- プロファイル管理
- 2要素認証（2FA）
- セッション管理
- APIトークン管理（Laravel Sanctumベース）
- チーム管理機能（オプション）
Jetstreamが向いているケース
- SaaSやチーム機能を含むアプリケーションを作りたい
- ユーザーのセキュリティレベルを高めたい（2FAが必要）
- APIトークンによる外部連携が必要
BreezeとJetstreamの比較と選び方
| 比較項目 | Laravel Breeze | Laravel Jetstream |
|---|---|---|
| 対応UI | Blade、Vue、React | Livewire、Inertia（Vue） |
| 機能 | 最小限（ログイン、登録、パスワードリセットなど） | 多機能（2FA、API、チーム機能など） |
| 学習コスト | 低め | やや高め（LivewireやInertiaの知識が必要） |
| カスタマイズ性 | 高い | やや低め（UIと構造が複雑） |
| 初心者向け | ◎ | △（中級者以上向け） |
まとめ：用途に応じて最適な認証パッケージを選ぼう
Laravelでの認証機能は、公式パッケージを使うことで短時間で構築できます。シンプルなプロジェクトや学習用途にはBreeze、より複雑な要件やプロダクションレベルの機能が必要な場合はJetstreamを選ぶとよいでしょう。
あなたのプロジェクトの規模や機能要件に応じて、最適な選択をすることが、開発効率の向上と将来の拡張性確保につながります。
