【Sass】エクステンド(@extend)でスタイルを継承する方法

Sassの強力な機能の一つである@extendについて詳しく解説します。この機能を使いこなすことで、CSSを効率的に管理し、再利用性を高めることができます。

@extendの基本的な使い方

まず、@extendの基本的な使い方から紹介します。

%message {
  border: 1px solid #ccc;
  padding: 10px;
  color: #333;
}

.info {
  @extend %message;
  background-color: #eef;
}

.success {
  @extend %message;
  background-color: #e6ffe6;
}

.error {
  @extend %message;
  background-color: #ffe6e6;
}

生成されるCSSは以下のようになります。

.info, .success, .error {
  border: 1px solid #ccc;
  padding: 10px;
  color: #333;
}

.info {
  background-color: #eef;
}

.success {
  background-color: #e6ffe6;
}

.error {
  background-color: #ffe6e6;
}

上記のコードでは、共通のスタイルを%messageというプレースホルダーセレクタに定義し、各クラス(.info, .success, .error)でそのスタイルを継承しています。

@extendのメリット

@extendを使用する主なメリットは以下の通りです。

  • コードの再利用:重複するスタイルを避けることで、コードをシンプルに保つことができます。
  • メンテナンスの容易さ:一箇所を変更するだけで、関連するすべてのスタイルに反映されます。
  • ファイルサイズの削減:共通のスタイルが一つにまとめられるため、CSSファイルのサイズが小さくなります。

@extendを使う際の注意点

@extendを使う際には、以下の点に注意してください。

  • セレクタの結合:意図しないスタイルの影響を避けるため、慎重に使用する必要があります。
  • CSSの特異性:特異性の問題が発生することがあるため、スタイルが正しく適用されない場合があります。
  • プレースホルダーセレクタの利用:%で始まるプレースホルダーセレクタを使用することで、生成されるCSSに不要なセレクタが含まれないようにすることが推奨されます。

より複雑な例

次に、もう少し複雑な例を見てみましょう。

%button {
  display: inline-block;
  padding: 10px 20px;
  font-size: 14px;
  cursor: pointer;
}

.btn-primary {
  @extend %button;
  background-color: #007bff;
  color: #fff;
}

.btn-secondary {
  @extend %button;
  background-color: #6c757d;
  color: #fff;
}

生成されるCSSは次のようになります。

.btn-primary, .btn-secondary {
  display: inline-block;
  padding: 10px 20px;
  font-size: 14px;
  cursor: pointer;
}

.btn-primary {
  background-color: #007bff;
  color: #fff;
}

.btn-secondary {
  background-color: #6c757d;
  color: #fff;
}

このコードでは、共通のボタンスタイルを%buttonに定義し、各ボタンタイプ(.btn-primary, .btn-secondary)で継承しています。これにより、スタイルを一箇所にまとめつつ、異なる背景色や色を適用することができます。

まとめ

Sassの@extendは、CSSのスタイルを効率的に再利用し、メンテナンスを容易にするための強力なツールです。正しく使うことで、CSSファイルの整理が進み、コードの読みやすさも向上します。