AWS Lambdaは、インフラ管理不要でコードを実行できるサーバーレスコンピューティングサービスです。Pythonスクリプトを使って定期処理を自動化することで、バッチ処理やレポート作成などを低コストかつ効率的に実現できます。本記事では、AWS LambdaとCloudWatch Events(EventBridge)を用いて、Pythonコードによる定期実行の仕組みを構築する方法を解説します。
AWS Lambdaの基本と仕組み
AWS Lambdaはイベント駆動型でコードを実行できるサービスです。サーバーを常時稼働させる必要がないため、バッチ処理や通知などの処理を効率的に実行できます。処理単位で課金されるため、低頻度な処理ほどコストを抑えることができます。
定期実行の設定に必要なサービス
定期実行には、AWS CloudWatch Events(またはEventBridge)を利用します。これにより、指定した時間ごとにLambda関数を自動で呼び出せます。たとえば、毎朝8時にレポートを生成したい場合も、cron式を使って簡単に設定可能です。
Pythonコードの作成
Lambda関数で実行するPythonコードは、通常の関数として記述し、`lambda_handler(event, context)`をエントリーポイントにします。以下はサンプルコードです。
def lambda_handler(event, context):
print("定期処理を実行しました")
# ここに任意の処理を書く
return {
'statusCode': 200,
'body': 'Success'
}
デプロイとスケジュール設定
Lambdaにコードをデプロイするには、AWSマネジメントコンソール、CLI、またはSAM(Serverless Application Model)を使用します。次に、CloudWatch Eventsでスケジュールルールを作成し、Lambda関数と紐付けます。cron式で「毎日0時」や「毎週月曜9時」などの設定が可能です。
注意点とコスト管理
Lambdaは無料枠があるため、少量の定期処理であれば費用ゼロで利用できます。ただし、実行時間やリソースに応じて従量課金となるため、不要な処理や長時間の処理には注意が必要です。ログはCloudWatch Logsに自動で送られるため、定期的な確認と不要ログの削除も行いましょう。
まとめ
AWS LambdaとPythonを使えば、サーバーを持たずに定期処理を柔軟に構築できます。メール送信、バッチ処理、外部API連携など、様々な業務を自動化して、開発・運用コストを大幅に削減できます。まずは小さな処理から試し、効率化の第一歩を踏み出しましょう。