【Oracle】TEMP表領域の肥大化原因とクリーンアップ方法

【Oracle】TEMP表領域の肥大化原因とクリーンアップ方法 Oracle

Oracleデータベースでは、ソートやハッシュ結合、大量データの一時的な処理にTEMP表領域(一時表領域)が使用されます。適切に管理されていないと、TEMP表領域が肥大化してディスクを圧迫する原因となります。

本記事では、TEMP表領域の肥大化の主な原因と、そのクリーンアップ方法を解説します。

TEMP表領域の役割と仕組み

TEMP表領域は、一時セグメント(temporary segment)を格納するための領域です。以下のような処理時に利用されます:

  • ORDER BYやGROUP BYなどのソート処理
  • ハッシュ結合(HASH JOIN)
  • 索引の作成や再構築
  • 一時表の使用時

特に、大量データの並び替えや集計でPGA(メモリ)に収まりきらない場合、TEMP表領域にディスクI/Oが発生します。

TEMP表領域が肥大化する原因

以下のような状況でTEMP表領域は膨張します:

  • ソートや結合対象の行数が非常に多い
  • インデックス未使用による全表スキャン
  • PGAが不足してディスクへの一時退避が頻発
  • 一時表を多用する処理の連発
  • 不要な大規模クエリの実行(誤った結合など)

また、TEMP表領域は自動的に空きが解放されるように設計されていますが、一部のブロックが解放されずに残るケースもあります。

現在のTEMP使用状況を確認するSQL

現在TEMP表領域がどの程度使われているかを調べるには、以下のSQLが有効です:

SELECT s.sid, s.serial#, u.tablespace, u.segfile#, u.segblk#, u.extents, u.blocks
FROM v$sort_usage u, v$session s
WHERE u.session_addr = s.saddr;

また、表領域全体の使用量は以下で確認可能です:

SELECT tablespace_name, SUM(bytes)/1024/1024 AS used_mb
FROM v$tempseg_usage
GROUP BY tablespace_name;

TEMP表領域をクリーンアップする方法

基本的には、セッション終了やSQL完了時にTEMPセグメントは解放されます。ただし、明示的にクリーンアップしたい場合や、異常なセッションが保持している場合は、以下の対処法があります。

1. セッションを特定して切断する

SELECT s.sid, s.serial#, p.spid, s.username
FROM v$session s
JOIN v$process p ON s.paddr = p.addr
WHERE s.sid IN (
  SELECT sid FROM v$sort_usage
);

切断コマンド:

ALTER SYSTEM KILL SESSION 'SID,SERIAL#' IMMEDIATE;

2. TEMPファイルを縮小(RESIZE)する

クリーンアップ後、肥大化したTEMPファイルを縮小します:

ALTER DATABASE TEMPFILE '/u01/app/oracle/oradata/XE/temp01.dbf' RESIZE 512M;

※ファイルの実パスとサイズは適宜変更してください。

3. 一時表領域の再作成

TEMPファイルが縮小できない場合、TEMP表領域を再作成する方法もあります:

-- 新しいTEMP表領域を作成
CREATE TEMPORARY TABLESPACE temp_new TEMPFILE '/path/temp_new01.dbf' SIZE 512M;

-- デフォルトを変更
ALTER DATABASE DEFAULT TEMPORARY TABLESPACE temp_new;

-- 古いTEMP表領域を削除
DROP TABLESPACE temp INCLUDING CONTENTS AND DATAFILES;

TEMP表領域肥大化の予防策

  • SQLチューニングでPGA使用を促進(インデックス利用)
  • PGA_AGGREGATE_TARGETの見直し
  • 定期的なTEMP使用状況のモニタリング
  • 長時間開いたままのセッションを制御

まとめ

TEMP表領域の肥大化は、Oracle運用におけるよくある課題の一つです。根本的にはSQLの見直しやPGAのチューニングが重要ですが、肥大化した場合にはセッションの特定や表領域の再構築も選択肢となります。

放置するとディスク圧迫やパフォーマンス劣化につながるため、定期的な監視とメンテナンスが鍵となります。